入学祝い 2023年4月
春になり新学期・新生活を迎えたみなさん、おめでとうございます。
大人になると変化の少ない生活になりがちですがそのぶん思い出はたくさんあります。
もう10年以上むかしのある朝、うちの母親が「あんたに半分やろうか」といきなり5千円くれました。
春が近づいてきてボケが始まったかと心配しました。
よく聞くと数年前に亡くなった親父の遺品を整理していて
上着の内ポケットから1万円が出てきたとのことでした。
父はお金のことはすべて母にまかせる主義というか母に握られていました。
なのでこの1万円は巧みな交渉の末に母から引き出し、その貴重な資金をやりくりしたものと思われます。
つまり死後数年経ってヘソクリを発見された訳です。
父の舌打ちする声が空から聞こえてきそうです。
その年はちょうど可愛がっていた二人の孫が中学・高校にダブル入学だったので
「あの世から入学祝いだね」と母と二人で笑いました。
脳裏に浮かんだ父の顔だけが苦笑いだった気がします。
そのお金は使わずに大事にとっておこうかとも考えましたが
いろいろお金のかかる時でもあったので子どもたちの入学準備に使いました。
これなら父もあの世で納得してくれていると思います。
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